共利共生 クマノミ マメ科 フリーライダー

 イソギンチャクには毒針があるが、クマノミには粘膜で覆われているためイソギンチャクを隠れ蓑にする事ができる。クマノミはイソギンチャクに無料で住まわせてもらっているのではなく、実は家賃を払っている。それが、フンである。

 隠れクマノミのフンがイソギンチャクにもう一人の住人である藻の栄養となり、その藻がイソギンチャクに酸素や栄養素を与えるのである。

 この様に、別の生物が協力し合うことを共利共生といい、意外にも植物と細菌にもこの関係はみられる。

 マメ科の植物の根には根粒というコブがあり、その中に微生物が住んでおりそれらを根粒菌という。

 植物は自らの体を構成するタンパク質を合成する必要がある。合成するためには、質素化合物が必要である。根粒菌は窒素を窒素化合物であるアンモニアに変更する。それを利用して植物はタンパク質に合成する事ができる。

 植物は無料で窒素化合物をもらっているのではなく、光合成でできたリンゴ酸を根粒菌に対して供給する。

 窒素の無い環境を実験的に用意をすると、細菌は窒素化合物を合成する事ができなくなり、無料でリンゴ酸を供給される状態となる。しかし、植物は無料で根粒菌を住まわせることはなく根粒内の酸素濃度を減らして窒息させるのである。

 共利共生には、お互いのメリットがある事が条件である。フリーライダーや裏切りには、人だけでなく植物や動物の世界にもあり、それを検出すると罰を与える。