芸術の秋

孔雀やライオンのオスの飾りばねやたてがみが、セミやカエルの鳴き声が、立派であるほどメスを惹きつけやすい様に、周囲への強さや権威を示す事ができる無用の用がアートの始まりかもしれない。との問題提起より始まる松木武彦著の美の考古学 古代人は何に魅せられてきたのかを読み進めている。

上記の無用の用はヒトにおいてもピラミッドや全方後円墳と言った建築物にみられる。これらは生活必需品ではないものの、生産性や技術力が高く、周囲を従える人望などを多くのヒトに示す事ができる権威の象徴である。

絵画や彫刻はそれに当てはまるのかといった疑問はあるが、味気のない様に思える土器や古墳、銅鐸などに対する見方が変わりそうな本である。

芸術の秋として、考古学に思いを馳せてみてはいかがだろうか。